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破損止とは?素材別の特徴と選び方|図面特記事項も紹介 No.242


掲載日:2025.04.21

最終更新:2025.04.21

こんにちは、スリーナイン島野株式会社の西野です。

什器・建具・ショーケースの設計や製作に欠かせない「破損止(破損防止金具)」。
一見小さなパーツですが、製品の耐久性や安全性に大きな影響を与える重要な部品です。

特に、ガラス什器や建具設計に携わる方にとっては、破損止の選定が納まりや製品寿命を左右する重要な判断ポイントとなります。

今回は、破損止に使われる主要4素材(樹脂・アルミ・ステンレス・真鍮)の特徴をわかりやすく比較し、用途に応じた最適な選び方をご紹介します。

破損止とは?用途と役割

破損止とは、扉やパネルなどの開閉・接触による破損や衝撃を防ぐために使われるパーツです。
特に、ガラス製品や木製什器、精密機器を扱う什器などでは必須アイテムとも言えます。

・硝子の端部保護

・引戸や開戸のストッパー

・家具や収納什器の端部処理 など

用途に合わせて適切な素材を選ぶことが、製品の寿命や使用感、安全性に直結します。

素材別|破損止のメリット・デメリット比較

▼ 樹脂製(ABS、ポリカーボネートなど)

👍🏻メリット

😊軽量で扱いやすい

😊成形自由度が高く、形状バリエーションが豊富

😊衝撃吸収性があり、相手材を傷つけにくい

😊透明タイプであれば意匠性を損なわず、目立たずに設置可能

😊価格が安く、量産に向いている

👎🏻デメリット

😵紫外線や熱による劣化が起こりやすい

😵長期間使用するとひび割れや変色が発生

😵強度・耐候性は他素材に劣る

おすすめ用途:仮設什器、コスト重視の軽量什器、屋内使用向け

▼ アルミ製(アルマイト処理含む)

👍🏻メリット

😊軽くて強度もある

😊加工しやすく、表面処理で美観性UP

😊ある程度の耐食性を持つ

👎🏻デメリット

😵衝撃で凹みやすい

😵摩擦・接触部には傷がつきやすい

😵屋外や湿気の多い場所では腐食の可能性

おすすめ用途:常設什器、コストと美観のバランスを求める什器

▼ ステンレス製(SUS304など)

👍🏻メリット

😊高い耐久性と耐腐食性

😊高荷重にも耐えられる強度

😊高級感のある質感、無塗装でも美しい

👎🏻デメリット

😵加工が難しく、コストがやや高め

😵重量があるため施工時に注意が必要

おすすめ用途:屋外設置什器、公共施設、商業什器全般(特に高耐久を求める場合)

真鍮製(削り出し・メッキ仕上げ)

👍🏻メリット

😊アンティーク調やクラシカルな雰囲気に最適

😊高級感のある質感で、意匠性を重視した什器にマッチ

😊削り出し加工が可能で、精密パーツにも対応

😊経年変化(酸化による色味の変化)を“味わい”として楽しめる

👎🏻デメリット

😵他素材に比べて高価

😵柔らかく傷が付きやすい(指紋や酸で変色しやすい)

😵重量があるため、取り付け時に構造面の確認が必要

おすすめ用途:高級什器、歴史的建築物の改修、ブランドショップ、意匠性重視の展示什器

用途別|破損止の素材の選び方

用途・目的推奨素材
コスト優先/仮設樹脂製
屋内常設/軽量化アルミ製
屋外・高耐久ステンレス製
高級感/意匠性真鍮製

選定に迷った場合は、使用環境・取り付け方法・デザイン性・予算のバランスで判断すると良いでしょう。

設計図に破損止を記載する際のポイント

破損止は現場での“あと付け対応”になりがちですが、設計段階で明確に仕様を示すことが、トラブルの少ない納まりや美しい仕上がりに繋がります

設計者の皆様向けに、図面へ破損止の指定を記載する際の「特記事項」例をご紹介します。
素材選定や意匠性への配慮を反映させた表記は、製作側との認識のズレを防ぐうえでも非常に有効です。

特記事項例(破損止)

・破損止にはSUS304製を使用のこと(長期耐久性を考慮)
・カウンター端部は真鍮製破損止にて意匠重視
・ガラス什器のコーナー部には、意匠性を損なわない透明破損止を推奨

よくある質問(FAQ)

Q. 破損止はどんな什器に必要ですか?

A. ガラス什器、木製什器、店舗什器、カウンター端部など、開閉や接触による破損リスクがある場所に必須です。

Q. 屋外什器にはどの素材の破損止が適していますか?

A. 耐食性・耐久性に優れたステンレス製(SUS304など)がおすすめです。

Q. 破損止の交換頻度はどれくらいですか?

A. 素材や使用環境により異なりますが、樹脂製は2~3年、金属製は5年以上使用されるケースが多いです。定期的な点検をおすすめします。

Q. デザインに影響を与えたくない場合、どの破損止が適していますか?

A. 透明な樹脂製(弊社の「透明破損止」など)であれば、目立たず設置可能です。

まとめ|破損止も“設計力”の一部です

破損止は目立たない部材ですが、使用者の安全性・製品の寿命・見た目の美しさすべてに関わる重要なパーツです。

素材の特性を理解し、目的や設置環境に合わせて適切な破損止を選ぶことで、トラブルやメンテナンスコストの削減にもつながります。

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