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選定で迷わない!用途別・ガラス引き戸レールのベストチョイス No.344


掲載日:2025.12.11

最終更新:2025.12.11

こんにちは、スリーナイン島野㈱の松浦です。

ガラス引き戸に使われる金物は、一見どれも似ているように見えて、用途・衛生基準・安全性・作業性によって選ぶべきレールが大きく変わります。

しかし、設計者や内装業者の方からは、

「現場ごとにどのレールを選べばいいか分かりづらい」

「似た名前の商品が多く、違いが認識しにくい」

「過去の図面を踏襲しているだけで、本当にベストか自信がない」

という声をよくお聞きします。

今回は、使用される現場ごとの “呼び名(通称)” と “最適な引戸金物(当社推奨)” を分かりやすく整理しました。

最後まで読めば、初めての設計でも「この現場ならこのレールだな」と自信を持って選定いただけます。

学校・役所など、公共施設の受付窓

🟢呼び名(通称)

・受付窓

・受渡し窓

・間仕切り窓

🟢推奨商品

カウンターSC(ソフトクローズ引き戸)
カウンターレール(スタンダード引き戸)

🟢選定ポイント

・カウンターSCやカウンターレールは 戸のバタ付きを抑え、静かにスライドする構造

・公共施設では 書類の受け渡しが多く、引戸のガタ付きが業務上ストレスになる

ソフトクローズ機能付のカウンターSCは、閉め残しによる空調ロスを防げます。

・メンテナンス性と耐久性が高く、長期運用が前提の公共施設向け

ビルの防災センター・監視室などの受付窓

🟢呼び名(通称)

・受付窓

・防災センター窓

・監視窓

・管制室窓

🟢推奨商品

カウンターSC(ソフトクローズ引き戸)
カウンターレール(スタンダード引き戸)

🟢選定ポイント

・防災センターは 24時間稼働で開閉頻度が高い

・カウンターSCはソフトクローズ機能付で、揺れや振動にも強い

「ガタつかない・静か・壊れにくい」ことが最優先

病院・薬局(調剤室)・検体窓

🟢呼び名(通称)

・透視面

・調剤窓/薬局窓/投薬窓口

・受付窓/カウンター窓

・採尿窓/検査窓/パスボックス

・パスボックス

🟢推奨商品

HA-SC(ソフトクローズ吊引き戸)
HA(スタンダード吊引き戸)
アクリカーテン(吊引き戸)

🟢選定ポイント

・医療現場では 衛生基準・清掃性が重要

・下レールの“溝”に汚れが溜まる構造はNG、溝のない「吊引き戸」が圧倒的に選ばれている

HA-SC(ソフトクローズ吊引き戸)は、指詰めによるケガを未然に防止、安心安全な窓口業務

・採尿・検査窓などは、小型で軽量、シンプルなアクリカーテンがお勧め

飲食店(厨房 ⇄ ホール)の配膳・仕切り窓

🟢呼び名(通称)

・配膳窓

・受け渡し窓(デシャップ)

🟢推奨商品

HA(吊引き戸)

🟢選定ポイント

・下レールの溝に油汚れが固まると 引き戸の不具合と匂いの発生原因に

・HAは溝のない吊構造なので 清掃性が最も高い

・自治体の衛生基準が異なるため “引戸必須” の自治体・“無し可” の自治体が混在

飲食店の食器返却口(返却カウンター)

🟢呼び名(通称)

・食器返却口

・返却カウンター

・下げ台

🟢推奨商品

HA(吊引き戸)

🟢選定ポイント

・下レールに溝があると 食べかす・水滴・油汚れが詰まりやすく匂いの原因に

・吊引き戸は清潔を保ちやすく、某大手カフェチェーンでも採用されている安定実績

【まとめ】 現場ごとのベストチョイス早見表

現場主な呼び名推奨レール選ぶ理由
学校・公共窓口受付窓 / 受渡し窓カウンターSCガタつきが少なく耐久性◎
防災センター監視窓 / 管制窓カウンターSC24h稼働に耐える安定性
病院・薬局透視面 / 調剤窓HA-SC / HA清掃性・衛生基準クリア
検体窓検尿小窓 等HA / アクリカーテン清掃しやすく衛生的
厨房とホール配膳窓HA溝なしで油汚れに強い
食器返却口返却口引戸HA大手チェーンも採用の実績

【最後に】 選定の鉄則

「清掃性・衛生性」重視の現場 → 吊引き戸(HA-SC / HA/アクリカーテン)

🔗HA-SC

🔗HA

🔗アクリカーテン

「書類受け渡し・精密業務」重視の現場 → カウンターSC / カウンターレール

🔗カウンターSC

🔗カウンター

現場で求められる性能は、業態や求められる衛生レベルによってまったく異なります。だからこそ、引き戸の金物選定は「なんとなく前例を踏襲する」のではなく、現場の目的に合った構造を選ぶことが、長期的な快適性とトラブル削減につながります。

どの現場にも万能なレールはありません。しかし、
「清掃性を重視するなら吊引戸」「精度と安定性を求めるならカウンタータイプ」
という2つの視点さえ押さえておけば、設計段階で迷う時間は大きく減り、より確実な選定が可能になります。

もし現場の条件や具体的な仕様で迷う場合は、当社で用途に応じた最適な組み合わせをご提案することも可能です。
現場が本当に使いやすい引き戸を一緒につくっていければ幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

また次回もお付き合いの程、よろしくお願い致します。

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