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アルミ・ステン・真鍮・鉄の腐食原因まとめ|注意したい物質と保管方法 No.403


掲載日:2026.04.20

最終更新:2026.04.17

こんにちは、スリーナイン島野㈱の西野です。

金属部材は、建築金物や内装部材、什器、ショーケース、建具まわりなど、さまざまな場所で使用されています。

一方で、金属は「濡れなければ大丈夫」「ステンレスなら錆びない」「アルミなら軽くて錆びにくい」と思われがちですが、実際には材質ごとに苦手な環境があります。

同じ金属部材でも、アルミ、ステンレス、真鍮、鉄では、腐食や変色の原因になる物質が異なります。
現場での保管方法、付着物、清掃方法によっては、施工前や施工後に思わぬトラブルにつながることもあります。

今回は、金属部材を扱う際に注意したい腐食の原因について、材質ごとに分かりやすく整理します。

金属は種類によって「苦手な物質」が違う

金属の腐食は、単純に「水に濡れたから錆びる」というだけではありません。

水分、塩分、酸、アルカリ、洗剤、鉄粉、手汗、薬品、異種金属との接触など、さまざまな要因が関係します。

特に建築現場では、次のようなものが金属部材に影響を与えることがあります。

・セメント粉
・モルタル
・コンクリート
・塩分
・雨水
・結露
・鉄粉
・塩素系洗剤
・アルカリ性洗剤 酸性洗剤
・手汗
・養生材にこもった湿気

金属ごとに注意点を知っておくことで、保管時や施工時のトラブルを減らすことができます。

材質別に見る腐食・変色の主な原因

まずは、代表的な金属ごとの注意点を簡単にまとめます。

材質注意したい物質・環境起こりやすい症状
アルミセメント、モルタル、コンクリート、アルカリ性洗剤、塩分、水分白錆、白い粉、表面の荒れ、くもり
ステンレス塩分、鉄粉、もらい錆、塩素系洗剤、湿気点錆、茶色い錆、シミ
真鍮手汗、湿気、薬品、洗剤、硫黄成分くすみ、黒ずみ、緑青、変色
水分、塩分、酸、結露、傷赤錆、腐食、塗装剥がれ

このように、金属ごとに腐食や変色の出方は違います。
ここからは、それぞれの材質について詳しく見ていきます。

アルミはアルカリ性の物質に注意

アルミは軽量で加工しやすく、建築金物や内装部材にも多く使われている材料です。
表面に酸化皮膜ができるため、一般的には錆びにくい金属として知られています。

しかし、アルミはアルカリ性の物質に弱い面があります。

建築現場で特に注意したいのが、セメント、モルタル、コンクリートです。
これらはアルカリ性を示すため、水分を含んだ状態でアルミ部材に付着したまま放置すると、表面が荒れたり、白っぽい腐食が発生したりすることがあります。

現場で起こりやすい例

たとえば、次のような場面では注意が必要です。

🔵アルミ部材をコンクリート床に直置きしている
🔵セメント粉やモルタルが付着したまま放置している
🔵左官工事や土間工事の近くでアルミ部材を保管している
🔵養生シートの中に湿気がこもっている
🔵アルカリ性洗剤で清掃した後、十分に拭き取っていない

アルミ部材は「錆びにくい」材料ではありますが、現場環境によっては腐食が発生します。
特に、アルカリ性の付着物と水分が重なると、腐食のリスクが高くなります。

アルミ部材の保管・施工時の注意点

アルミ部材を扱う際は、コンクリート床への直置きを避け、木材やシートなどで直接接触しないようにすることが大切です。

また、セメント粉やモルタルが付着した場合は、できるだけ早めに除去し、水分が残らないように拭き取ることが望ましいです。

ステンレスは「錆びない」ではなく「錆びにくい」

ステンレスは、錆びにくい金属として非常によく使われています。
厨房、屋外、浴室まわり、建築金物など、耐久性を求められる場所でも多く採用されています。

しかし、ステンレスもまったく錆びないわけではありません。

特に注意したいのが、塩分、鉄粉、塩素系洗剤、もらい錆です。

もらい錆に注意

ステンレス自体が錆びていなくても、鉄粉や錆びた鉄材が表面に付着すると、そこから茶色い錆が発生することがあります。
これを一般的に「もらい錆」と呼びます。

たとえば、現場で鉄材の切粉が飛んだり、錆びた工具や鉄製部材と接触したりすると、ステンレス表面に錆が出ることがあります。

ステンレス部材に茶色い錆が見えると、「ステンレスなのに錆びた」と思われがちですが、実際には外部から付着した鉄分が原因になっている場合もあります。

塩分・塩素系洗剤にも注意

海沿いや厨房、食品まわりなど、塩分が付着しやすい環境ではステンレスも錆びやすくなります。

また、清掃時に塩素系洗剤を使用し、その成分が表面に残ったままになると、点錆やシミの原因になることがあります。

ステンレスは耐食性に優れた材料ですが、汚れや薬品を放置してもよい材料ではありません。
清掃後は水拭きや乾拭きを行い、表面に成分を残さないことが大切です。

真鍮は変色しやすい素材

真鍮は、独特の色味や高級感がある金属です。
装飾金物、取手、見切り材、サインまわりなど、意匠性を重視する場所で使われることがあります。

一方で、真鍮は変色しやすい素材でもあります。

手汗、湿気、薬品、洗剤、空気中の成分などによって、表面がくすんだり、黒ずんだり、緑青が発生したりすることがあります。

真鍮の変色は「味」になる場合と「クレーム」になる場合がある

真鍮の変色は、経年変化として味わいになる場合もあります。
アンティーク調の仕上げや、自然な風合いを楽しむ用途では、真鍮の変化が魅力になることもあります。

しかし、ピカピカの状態を維持したい場所や、納品直後の美観を重視する現場では、変色がクレームにつながることもあります。

そのため、真鍮を使用する場合は、あらかじめ「変色しやすい素材である」という認識を持っておくことが大切です。

手汗や薬品の付着に注意

真鍮は、手で触れた部分から変色することがあります。
取付作業時に素手で触った跡が残ったり、清掃時の洗剤が影響したりする場合もあります。

施工時には手袋を使用し、取付後は柔らかい布で拭き取るなど、表面に汚れや成分を残さないようにすることが重要です。

鉄は水分・塩分・傷に注意

鉄は強度があり、下地材、構造材、補強材、金物など幅広く使われています。
ただし、鉄は水分や塩分に弱く、赤錆が発生しやすい材料です。

塗装やメッキで表面が保護されていても、傷が入った部分や端部から錆が発生することがあります。

鉄の錆が発生しやすい場面

鉄部材では、次のような環境に注意が必要です。

・雨水がかかる場所
・結露しやすい場所
・湿気の多い倉庫
・塩分が付着しやすい場所
・塗装面に傷が入った場所
・床に直置きしている場所

鉄の赤錆は、見た目の問題だけでなく、進行すると部材の強度低下や塗装剥がれにもつながります。

保管時は湿気と傷を避ける

鉄部材を保管する場合は、水分が溜まらない場所に置き、床への直置きを避けることが大切です。

また、搬入・保管・施工時に表面の塗装やメッキを傷つけないように注意する必要があります。
傷が入った場合は、必要に応じて補修を行うことで、錆の進行を抑えやすくなります。

異種金属の接触にも注意

金属部材を扱う際は、異なる金属同士の接触にも注意が必要です。

たとえば、アルミとステンレス、鉄とステンレス、真鍮と鉄など、異なる金属を組み合わせて使用する場面があります。
乾燥した環境では大きな問題になりにくい場合でも、水分や塩分がある環境では、腐食が進みやすくなることがあります。

これを一般的に、異種金属接触腐食と呼びます。

すべての組み合わせが必ず問題になるわけではありませんが、屋外、水まわり、海沿い、結露しやすい場所では注意が必要です。

異なる金属を組み合わせる場合は、直接接触を避ける、樹脂やゴムなどを間に入れる、水分が溜まらない納まりにするなどの工夫が有効です。

清掃方法によって腐食を招くこともある

金属部材の腐食は、現場保管や施工中だけでなく、清掃時にも発生することがあります。

特に注意したいのが、強い洗剤を使った後の拭き残しです。

酸性洗剤、アルカリ性洗剤、塩素系洗剤などは、汚れを落とす力がある一方で、金属表面に残ると腐食や変色の原因になることがあります。

清掃時には、使用する洗剤が金属部材に適しているかを確認し、使用後は十分に拭き取り、乾いた状態にしておくことが大切です。

金属部材を長くきれいに使うためのポイント

金属部材の腐食を防ぐためには、特別なことよりも、基本的な取り扱いが大切です。

1、水分を長時間残さない

水分は多くの腐食トラブルの原因になります。
雨水、結露、濡れた養生材、湿気のこもった梱包などには注意が必要です。

濡れた場合は、できるだけ早めに拭き取り、乾燥させることが重要です。

2、付着物を放置しない

セメント粉、モルタル、鉄粉、塩分、洗剤、手汗などは、放置すると腐食や変色の原因になります。

付着した場合は、早めに除去することが大切です。

3、床に直置きしない

現場では、金属部材を床に直置きしてしまうことがあります。
しかし、コンクリート床や濡れた床に直接置くと、湿気やアルカリ成分の影響を受けやすくなります。

部材の下に木材や台を置き、直接接触を避けるだけでも予防につながります。

4、清掃後は成分を残さない

洗剤を使用した場合は、表面に洗剤成分を残さないことが重要です。
水拭き、乾拭きを行い、金属表面を清潔で乾いた状態に保つことが望ましいです。

5、材質ごとの特徴を理解する

金属にはそれぞれ特徴があります。
アルミ、ステンレス、真鍮、鉄を同じように扱うのではなく、材質ごとの弱点を知っておくことが、トラブル防止につながります。

まとめ

金属部材は、材質によって腐食や変色の原因が異なります。

アルミはアルカリ性の物質に注意が必要です。
ステンレスは錆びにくい材料ですが、塩分や鉄粉、もらい錆には注意が必要です。
真鍮は風合いのある素材ですが、手汗や湿気、薬品によって変色しやすい特徴があります。
鉄は水分や塩分、傷によって赤錆が発生しやすい材料です。

金属部材を長くきれいに使用するためには、材料選びだけでなく、保管方法、施工環境、清掃方法まで含めた管理が大切です。

現場で使用する金物や内装部材は、施工前後のちょっとした取り扱いによって、美観や耐久性が大きく変わることがあります。

金属の特性を理解し、付着物や湿気を放置しないことが、腐食トラブルを防ぐ第一歩です。

最後までお読み頂きありがとうございました。

また次回もお付き合いの程、よろしくお願い致します。

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