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真鍮材の特徴 No.36

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掲載日:2022.06.13

最終更新:2022.10.13

真鍮材について

真鍮とは銅と亜鉛の合金で、特に亜鉛が20%以上のものをいいます。一般的に亜鉛の割合が多くなるにつれて色が薄くなり、少なくなるにつれて赤みを帯びます。亜鉛の割合が増すごとに硬度を増しますが、同時に脆さも増すため45%以上では実用に耐えられなくなります。

銅:80~95%、亜鉛:5~20%

丹胴と呼ばれ、黄銅ではなくかなり銅に近い真鍮の状態です。赤みがありつつ色合いが10~18金にかなり近く、耐食性も高いことから、建築用や一部アクセサリーなどに用いられます。

[銅:60~70%、亜鉛:30弱~40%]

この辺りが黄銅と呼ばれ、私たちが目にする機会の多い銅です。展延性(柔軟にいろいろな形に変化出来る性質)がとても高く、カメラや時計などのパーツや押し型、あるいは金属雑貨などに用いられます。亜鉛が30%のものは七三黄銅、40%のものは六四黄銅などとも呼ばれます。

銅:60%前後、鉛が数%、鉄も数%、残りが亜鉛]

これほど色々と混ざったものは快削黄銅と呼ばれます。その名の通り切削性が高く、非常に加工しやすくなります。

真鍮の特徴

銅と亜鉛の合金である真鍮は、合金のなかでも電気伝導性が高いのが特徴のひとつです。電気伝導率が銀の次に高く、銀を100として97以上。電気伝導性が高いということは電流が流れやすいということなので、真鍮はコネクターやコンセントといった接続器などの素材として使用されています。

真鍮は熱間鍛造性に優れています。熱間鍛造とは、歪んだ結晶が正常な結晶に変化する「再結晶温度」以上に熱した金属に対して行う加工のことです。熱間鍛造性に優れている真鍮は、過熱によって複雑な形状にも容易に加工できます。

真鍮は展延性に優れており、材料が破損せずに柔軟に変形することが可能です。
また、展延性は展性と延性の2つに分けられます。展性は圧縮する力を加えた際に薄いシート状に成形できる性質、延性は引っ張る力を加えた際に細く引き伸ばせる性質のことです。この2つに優れた真鍮は、薄く広げたり細く伸ばしたりと両方の加工をすることが可能です。

真鍮のデメリット

真鍮は、空気中では徐々に表面が酸化されて酸化銅(黒ずみ)という皮膜に覆われます。メッキ加工やクリアコートなどの加工を施していなければすぐに錆びたり、黒く変色してしまいます。5円玉を想像していただければわかりやすいかと思いますが、真鍮は放置しているだけでもすぐに黒く変色していきます。真鍮は銅と亜鉛の合金のため、水分に弱く触って手垢や汗などがつけば湿気や汗の影響で、変色や錆が進行します。ただし手入れをすることで何とも言えない色味になり、アンティークなどの装飾の場面では好んで使用されたりもします。

最後までお読み頂きありがとうございました。

また次回もお付き合いの程、宜しくお願い致します。

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