BLOG

ステンレスなのにサビ!?— 不動態皮膜と“もらいサビ”の真実 No.294


掲載日:2025.07.18

最終更新:2025.07.18

こんにちは、スリーナイン島野株式会社の西野です。

「ステンレスって錆びない金属じゃなかったの?」

実は、ステンレスは正しく使えば非常に優れた耐食性を発揮しますが、
使用環境や設置条件によって、“サビのように見える現象”が起きることがあります。

ステンレスは“さびにくい”金属。適材適所がカギ!

ステンレスは、表面に形成される「不動態皮膜」によってサビを防いでいます。この皮膜は非常に強固で、ちょっとしたキズなら自ら再生するという特性があります。

しかし、

💦 鉄粉が付着した状態で放置

💦 塩分や薬品が長時間残留

といった条件が重なると、見た目上「サビ」に似た現象が起こります。

腐食に見える3つの要因と対策

条件①:鉄粉・異物付着による“もらいサビ”

他の金属(鉄など)の切粉や粉塵が付着したまま水分と反応し、ステンレス表面が汚れて見える現象です。

:切断作業の近くにあったパネルが茶色に変色

原因:鉄粉が水分と反応し、周囲に色素が広がる

対策:作業場所を分離。使用後の拭き取りや水洗いで対応可能。
    (※材質そのものの問題ではありません)

条件②:塩分の多い環境(海沿い・温泉地)

SUS304やSUS430は日常使用には十分な耐食性を持っていますが、塩害リスクの高い環境では慎重な選定が必要です。

:海沿いの施設で、ステンレス部材に斑点状の腐食

原因:塩分が皮膜を破壊し、局所腐食の原因に

対策:屋外・沿岸部では耐塩仕様(例:SUS316)や防錆処理品を推奨

※弊社では、SUS304やSUS430は屋内や通常環境向けに多く使用しており、沿岸部での使用は推奨していません。

条件③:洗剤や薬品による影響

高濃度の塩素系・酸性・アルカリ性洗剤が長時間付着すると、ステンレスの表面皮膜が一時的に損なわれることがあります。

:厨房での清掃後にすすぎが不十分→斑点が出現

原因:皮膜が一部破壊され、反応が局所化

対策:中性洗剤の使用。使用後は水拭き・乾拭きで美観を維持

よくある質問

Q1. SUS430は安価なだけで、屋外には使えないの?

→ SUS430は磁性がある・成形性に優れるなどの特長があり、室内用途に最適な材質です。
 屋内のパネル・家具部材などに多く採用されています。

Q2. SUS304ならサビない?

→ 通常環境であれば問題ありませんが、鉄粉・薬品・塩分などには注意が必要です。
 適切な清掃・点検を行えば、長く美しさを保てます。

Q3. サビに見えても実際に劣化しているわけではない?

→ はい。多くの場合、「表面に付着した異物の酸化」が原因です。
 金属そのものが劣化しているわけではありません。

腐食対策チェックリスト

チェック項目対策の要否
切削作業・鉄粉が近くにある✔ 使用後の拭き取り・保護が有効
海沿いや温泉施設など✔ 使用を避ける or 特殊仕様へ
強アルカリや塩素系洗剤を使う可能性✔ 中性洗剤+拭き取りが必須
SUS430・SUS304を採用予定⭕ 使用環境に応じた適材適所で問題なし

まとめ:ステンレスは「正しく使えば頼もしい」素材です

🎈SUS430・SUS304は日常環境において安定した耐食性を発揮
🎈サビの原因は“材質の問題”ではなく“環境や使用法”に起因するケースが多数
🎈簡単なメンテナンスと予防策で、見た目も性能も長持ちします!

…………………………………………………………………………………………

「お気軽にお問い合わせください。」


製品やサービスに関するご相談など、お気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフがお客様のお悩み解決をお手伝いいたします。


▼お問い合わせはこちら
お問い合わせフォームへ

最後までお読み頂きありがとうございました。

また次回もお付き合いの程、よろしくお願い致します。

ご意見・ご感想は info@999shimano.com

件名に「ブログ宛」と入れてお寄せ頂けると幸いです(^^)/

いいね! (まだ評価がありません)
読み込み中...