BLOG

アルミを曲げるとどうなる?―割れ・白化のリスクと最適な素材選び No.341

/


掲載日:2025.11.13

最終更新:2025.11.13

こんにちは、スリーナイン島野㈱の西野です。

「このアルミ材を希望の寸法に曲げてほしい」

そんなご相談をいただくことがあります。

しかし実は、アルミは“曲げに弱い素材”であり、割れや白化などの不具合が発生しやすい金属です。
そのため弊社では、基本的にアルミ製品は押し出し成形(押し出し材)による製作を標準としています。
ただし、過去にはお客様のご要望に応じて例外的にアルミを曲げ加工で製作した事例もあります。

今回は、そうした特注対応の実例もあわせてご紹介しながら、
「なぜアルミは曲げに不向きなのか」「曲げたい場合はどの素材を選ぶべきか」をわかりやすく解説します。

なぜアルミは曲げに弱いのか?

① 割れ(クラック)

アルミは粘りが少なく、外側が引っ張られると簡単に割れてしまいます。
見た目ではわかりにくい微細なヒビも多く、強度の低下や経年での破断につながることがあります。

② 白化(表面変色)

酸化被膜が引き伸ばされることで、表面が白く濁ったような跡が出ます。
特にアルマイトやヘアライン仕上げでは目立ちやすく、化粧面としては不向きです。

③ スプリングバック(戻り)

アルミは弾性が高く、曲げ後に角度が戻りやすい特徴があります。
90°で曲げても92〜93°に戻ることもあり、寸法精度が不安定になります。

既製品が「押し出し材」である理由

当社を含め、多くのメーカーがアルミ部材を押し出し成形(押し出し材)で製作しているのは、
これらのリスクを避けるためです。

特長内容
寸法精度が高い金型(ダイス)で一定形状を保てる
表面が美しい曲げ応力がかからず白化しない
強度が安定均一な断面で荷重分散が良い
量産性が高い同断面を繰り返し製作できる

それでも「希望寸法に曲げたい」場合は?

もしどうしてもご希望寸法で曲げ加工を行いたい場合は、
アルミではなくステンレス材での製作をおすすめしています。

ステンレスはアルミよりも粘りがあり、割れにくく、仕上がりも安定しています。
また、見た目の美しさを重視する場合でも、鏡面仕上げやヘアライン仕上げなど多彩な表面処理に対応できます。

🟢過去に例外としてアルミを曲げた事例もあります

過去には、特注対応として例外的にアルミ材を曲げ加工した製作例もあります。
仕上がりや注意点など、実際の事例をブログで紹介しています。

過去ブログ🔗【製作事例】アルミ板曲げ加工No.53

このように特殊なケースでは製作可能な場合もありますが、
一般的には強度・仕上がり・コストのバランスからステンレスでの製作を推奨しています。

まとめ

アルミは軽量で扱いやすい反面、曲げ加工では「割れ」「白化」「戻り」などの問題が起こりやすい素材です。
そのため、弊社では基本的に押し出し材による製作を標準とし、
どうしても曲げが必要な場合はステンレス材での代替提案を行っています。

特殊な事例をお探しの方は、ぜひ上記の特注例ブログもご覧ください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

また次回もお付き合いの程、よろしくお願い致します。

ご意見・ご感想・お問い合わせは info@999shimano.com

件名に「ブログ宛」と入れてお寄せ頂けると幸いです(^^)/

いいね! (まだ評価がありません)
読み込み中...