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真鍮金物の仕上がりを左右する、表面処理と加工順序の考え方 No.417


掲載日:2026.05.21

最終更新:2026.05.21

こんにちは、スリーナイン島野㈱の西野です。

真鍮のコーティングやめっきなどの表面処理は、基本的には切断・曲げ・穴あけなどの加工が終わった後に行う方が、仕上がりを整えやすくなります。

金物製作では、材料をそのまま使用するのではなく、製品の寸法や形状に合わせて切断したり、曲げたり、穴をあけたり、端部を整えたりする工程が必要になります。

これらの加工を行う前に表面処理を済ませてしまうと、後から加える加工によって、せっかく整えた表面に傷みや乱れが出る可能性があります。

工程の都合で、先に表面処理を行うケースもある

もちろん、実際の製作現場では、加工スケジュールや外注工程の都合により、先にコーティングやめっきなどの表面処理を済ませた材料を、後から加工する必要が出る場合もあります。

納期の都合、材料手配の都合、表面処理業者との工程調整など、どうしても通常とは異なる順番で進めなければならないケースもあります。

ただし、その場合に注意したいのは、表面処理後の材料に切断・曲げ・穴あけなどの加工を加えることで、完成後の見た目や品質に影響が出る可能性があるという点です。

切断面は未処理の状態になる

表面処理を済ませた真鍮材を後から切断した場合、切断面にはコーティングやめっきなどの表面処理は残りません。

表面はきれいに仕上がっていても、切断した小口部分は未処理の状態になります。
そのため、切断面だけ色味が違って見えたり、そこから変色が進みやすくなったりすることがあります。

また、切断時には端部に細かなバリやめくれが発生する場合があります。
そのバリ取りや面取りを行う際に、端部周辺の表面処理が削れたり、欠けたり、部分的に剥がれたりすることもあります。

特に真鍮は、素材そのものの色味や質感が見た目に大きく影響するため、端部の小さな乱れでも仕上がりの印象に差が出やすい素材です。

曲げ部分に割れやムラが出ることがある

曲げ加工についても注意が必要です。

真鍮板を曲げると、曲げ部分には大きな力がかかります。
金属自体は曲がっても、表面のコーティング膜やめっき層がその変形に十分追従できない場合、曲げ部分に細かな割れやムラが出ることがあります。

特に、小さな曲げ、細い曲げ、深い曲げ、角度のきつい曲げなどでは、曲げ部に負荷が集中しやすくなります。

その結果、見た目にはわずかな変化であっても、曲げ部分だけ光沢が変わったり、色味が違って見えたり、後から変色が目立ってくる可能性があります。

穴あけや皿加工で仕上げが乱れることがある

穴あけ加工や皿加工でも同じです。

ビス穴や長穴、皿穴などを後から加工すると、工具が当たる部分の表面処理は削られます。

さらに、穴まわりのバリ取りや面取りを行うことで、穴の周辺だけ仕上げが乱れることがあります。

ビスを締め込む箇所であれば、締結時の圧力によって、穴まわりに細かな傷や割れが出る可能性もあります。

先に表面処理をした場合に起こりうる問題

先にきれいに表面処理をしていても、その後の加工によって、次のような問題が起こる場合があります。

・切断面だけ未処理になる
・端部から表面処理が欠ける、剥がれる
・曲げ部に細かな割れやムラが出る
・穴まわりの仕上げが乱れる
・部分的に色味や光沢が変わる
・完成後に変色ムラが出やすくなる

このような不具合は、材料そのものの問題というよりも、表面処理を行うタイミングと、その後に加える加工内容の相性によって起こることがあります。

そのため、真鍮金物をきれいに仕上げるためには、単に「どの表面処理を選ぶか」だけでなく、どのタイミングで表面処理を行うかも重要です。

当社では、加工後の表面仕上げを大切にしています

当社では、真鍮金物を製作する際、できる限り切断・曲げ・穴あけなどの加工を行った後に、コーティングやめっきなどの表面処理を行うことを大切にしています。

加工後の状態を確認したうえで、切断面、角部、曲げ部、穴まわりなどを整えることで、製品としての仕上がりを安定させやすくなります。

表面処理は、単に色味を整えるためだけの工程ではありません。
加工によって生じた細かな乱れを整え、真鍮本来の風合いを活かしながら、金物としての完成度を高めるための大切な工程です。

加工順序まで含めて考えることが大切

加工前にコーティングやめっきなどの表面処理を行う必要がある場合は、後からどのような加工が入るのか、切断面や曲げ部がどの程度見えるのか、完成後にどの部分が意匠面になるのかを、事前に確認しておくことが大切です。

特に、見た目を重視する真鍮金物では、加工順序と表面処理のタイミングが、完成後の印象に大きく関わります。

美しく仕上げるためには、材料・加工・表面処理を別々に考えるのではなく、最終的な製品の状態から逆算して工程を組むことが重要です。

最後までお読み頂きありがとうございました。

また次回もお付き合いの程、よろしくお願い致します。

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