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医療・福祉施設で進める“家具の地震対策” No.281
掲載日:2025.06.19
最終更新:2025.06.18
― 家具の地震対策、今こそ見直しませんか? ―
こんにちは、スリーナイン島野株式会社の西野です。
最近は全国的に地震が頻発していて、医療や介護の現場でも「もしものとき」に備えようという動きが少しずつ広がっています。
でも、実際に現場で話を聞いていると――
「キャビネット多すぎて、地震対策なんて現実的じゃない」
「固定されてないけど、今まで何も起きてないから大丈夫じゃない?」
そんな声もまだ少なくありません。
“家具災害”のリスクは意外と身近にあります
地震が起きたとき、施設内で何が起こるか…
思い浮かぶのは「建物の揺れ」や「避難の混乱」かもしれませんが、実際には家具や備品の転倒・移動・落下が大きなリスクになります。
以下のような事例が、実際に複数報告されています
😵棚が倒れてベッドをふさいだ
😵キャスター付きの棚が動き、利用者にぶつかった
😵オープン棚の中身が飛び出して、通路がふさがった
😵点滴スタンドや医療機器が揺れて壁にぶつかり破損
人の動きが制限される現場だからこそ、「家具そのものを安全にしておく」ことが非常に重要です。
見直しておきたい“地震対策チェックポイント”
まずは、今の施設で以下のような点を確認してみてください。

① 背の高い棚・書庫
🎈 壁にしっかり固定されていますか?
🎈 壁から少し浮いていませんか?
🎈 キャスターがついている場合、移動防止策はありますか?
② 開き戸・吊り戸棚
🎈 扉は簡単に開かないようにロックされていますか?
🎈 揺れで開くと中身が飛び出すような配置になっていませんか?
③ 医療機器・カート類
🎈 点滴スタンド、モニター台、吸引器など、
動きやすい機器は固定または囲いがされていますか?
🎈 酸素ボンベやガスボンベが倒れないよう、壁やスタンドに固定されていますか?
④ 棚の中身・配置
🎈 重い物が上段に置かれていませんか?
🎈 中身が飛び出さないよう、棚に前面ガードがあるか確認されていますか?
🎈 割れ物、危険物は安全な場所に保管されていますか?
よくある「大丈夫」の落とし穴
1. キャスターにストッパーが付いているから大丈夫?🤔
医療カートや器具台など、キャスター付きの什器は多くの施設で使用されています。
「ストッパーをかけているから問題ない」と思われがちですが、実際の地震では強い横揺れによってストッパーごと動いてしまうことがあります。
特に硬い床材や広い空間では滑走しやすく、利用者にぶつかったり、機器を破損させるリスクがあります。
2. 壁に寄せているから倒れない?🤔
棚や書庫を「壁にぴったり付けているから大丈夫」と感じることもありますが、これも落とし穴のひとつです。
地震の揺れによって家具が壁から押し出されるような力が加わると、反動で前方に倒れてくることがあります。
壁に“寄せてあるだけ”では不十分で、しっかりと壁面に固定されているかを確認することが重要です。
3. 新しい施設だから安心?🤔
築年数の浅い施設やリニューアルしたばかりの建物で、「新しいから安心」と思い込んでしまうのも要注意です。
建物そのものの耐震性能が高くても、家具や什器の固定・安全対策までは設計段階で考慮されていない場合が多くあります。
特に後から搬入された棚やキャビネットなどは、現場スタッフ任せのまま未固定の状態になっていることもあります。
4. 今まで何もなかったから問題ない?🤔
「これまで大きな地震もなかったし…」という理由で、対策を後回しにしていませんか?
過去に問題がなかったからといって、次も大丈夫とは限りません。
実際の被害は、“これまでの油断”が積み重なったところに突然襲ってきます。
「何も起きていない今こそ、対策を始めるチャンス」と捉えることが大切です。
このように、「大丈夫」の裏には見逃されがちなリスクが潜んでいます。
施設内を少し見回すだけでも、気づきやすいポイントがたくさんあります。
小さな確認が、大きな安心につながります。
最後に:災害は「いつか」ではなく「いつでも起こりうる」
地震対策は、「何も起きていないうち」にやっておくからこそ意味があります。
しかも、最初の一歩は「全部やること」ではなく、気づいて、確認して、優先順位をつけることです。
・通路に倒れそうな家具がないか
・扉のロックは機能しているか
・よく動く什器に滑り止めがあるか
・入所者の行動範囲に危険な家具がないか
この4つをチェックするだけでも、大きな違いになります。
当社で取り扱っている家具の地震対策商品を紹介しているブログはこちら!
🎈扉をロックで飛散防止!!家具の転倒防止以外の地震対策 No.028
🎈安心と安全を守る!ショーケースの地震対策とは? No.156
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